売却型のモデルハウス企画。寒冷地の厳しい環境にも対応する非常に高い断熱性能と気密性能を確保している。そのうえで、方位ごとの窓の配置に工夫があり、日射熱の扱いについても丁寧な設計が行われている点が高評価。サスティナブル住宅を意識して、雨水のため水を植木の水やりなどに再利用できるU字溝を設置しており、外で金魚も飼育できるなど親も子も楽しく毎日をおくる工夫が施されている。
省エネ地域区分5において非常に高い断熱・気密性能を実現するとともに、換気装置を含めた省エネ設備を設置。通風・採光についても丁寧な設計が行われた。設計段階から建物の配置や屋根の傾斜に配慮して、ソーラーパネルの発電効率も向上。エネルギー削減率103%、RO値40%を実現している。地域の気候に合わせたパッシブデザインを実現することで、家族がくつろいで過ごせるのびやかな空間が実現した。
夏は蒸し暑く、冬の寒さも厳しい高松の気候に対応するため、極めて高い断熱・気密性能を確保。太陽光発電や太陽熱温水器、熱換気装置を設置して、光熱費の低減も実現している。さらに、夏の備えとして、外部ブラインドや庇で日射遮蔽の措置を徹底した点も高評価。南面大開口が設置されているにも関わらず、一次エネルギー削減率が60%と極めて高い点からも、丁寧なパッシブ設計が行われていることが感じられる。
内壁・天井・床をすべてスケルトン状態に戻し、独立発砲ウレタンで屋根と壁、床に断熱工事を施工。さらに気密テープ処理を行った断熱改修例。性能が後まわしにされがちなリフォームで断熱性能を十分高めている点、さらに、木造住宅と異なり、気密が取りにくい軽量鉄骨造の問題点を改善するための努力を重ね、C値1.0を切った点が高く評価された。気密の重要性を知ってもらううえでも評価されるべき作品だと言えるだろう。
マンション特有の悩みである夏の暑さと結露への対策として、内側から断熱パネルを施工。さらに、開口部と壁・天井部の断熱改修を行い、しっかりと結果を出している。断熱改修が節電効果や光熱費の削減にもつながり、明るく、快適な住まいが実現。熱的に最も弱い最上階・角部屋における断熱改修の重要性を提示しており、今後のマンションリフォームを考えるうえでも、この事例がひとつの回答となるだろう。
総評
省エネ地域区分2にあたる寒冷地域で必要とされる、断熱性能と気密性能を確保したうえで、二アリーZEHになるような省エネ・創エネにも挑戦。北海道の厳しい制約にも関わらず、高性能を低コストで供給しようとする姿勢が高く評価された。キッチンとソファの色合わせなど、暮らしに楽しさを提供するインテリアも好印象。今後は、外構部分のデザインが北海道の住宅における課題となるだろう。