「マンションリフォームでも、これだけのことができるのか」という驚きに満ちた空間。築27年の中古マンションをリフォーム後、改修では動かすことができないマンションの躯体部分まで広いLDK空間に取り込み、入居後の「楽しい生活」が生き生きとイメージできるプランを提供している。造作のデスクや黒板塗料をペイントした柱など、遊び心にあふれたアイディアも秀逸。動線を整理することで、LDK空間をより有効に活用している。
20年近く空き家になっていた大規模な古民家をリフォーム。地域のシンボル的な住宅だったという建物の威厳や古民家ならではの美しさを、リフォームによってより明確に引き出すことに成功した。暗くなりがちな古民家の室内は、小屋裏の床を一部吹き抜けにし、さらに、ガラス瓦を配置して採光を確保。建物そのものが持っていた風の流れや部屋からの景観はそのまま生かし、古い建物が持つ力強さと、現代住宅の快適性を融合させた。
総評
家族以外にも多くの人が利用するという山荘を、周囲の自然を生かしながらリフォーム。一本桜のある見事な景色を大きな開口部と全公開障子で切り取り、フレームのように室内に取り込んだ。旅館のような浴室(温泉)や、バリアフリーのプランなどディテールにまで配慮が施されており、スロープとしても使うことができるウッドデッキが、外と内とをゆるやかにつないでいる。建て主の「もてなしたい」という気持ちが、随所から感じ取れる空間となった。