建物の前をカーポートとして活用しているため、外壁はなく、道路に向かってフルオープンなプラン。玄関まわりのプライバシーを保つために、カーポートと外壁でさりげなく目隠しを製作した。コンパクトなスペースを活用して、タイトなアプローチを設けたプランが高評価に。玄関スペースも広くとっており、充実したシュークローゼットを設置。外と内との関係のバランスがよく、住む人のオープンな人柄を感じさせる。
太平洋と近隣の街並みが一望できる、敷地の恵まれた環境を生かしたプラン。その素晴らしい景色をまるで絵画のように窓で切り取り、インテリアに取り込むことに成功している。窓の重要な役割のひとつは、外部を取り入れること。フレームレスな窓から取り込まれた日々の景色と季節の変化は、この家のインテリアの欠かせない存在になるだろう。夜になると窓からは星空がのぞき、また違った表情を楽しむことができる。
リフォームに合わせて、新たに大きな開口部を設置。光が入りにくく、風の流れが悪かった住まいが生まれ変わり、明るい空間を提供している。和室の窓は、あえてサイズを抑えた開口部に改修。それぞれの居室に合わせた窓をデザインしたことで、住まい全体をさらに個性的で、快適な空間に仕上げている。リフォームでは住まいの性能向上を心掛け、窓のセレクトでも高断熱サッシやLow-Eガラスを採用した。
「高級旅館を超える空間」を目指したという住まいは、素材や照明計画などディテールにまでこだわったデザイン。特に暮らしの中心となっているダイニングキッチンは、天井と床の仕上げを他のスペースと変えることで、大きなワンルーム仕様のLDKに変化を与えると共に、視覚的なゾーニング効果を高めている。システムキッチンと背面の造作収納を一体化させ、デザイン性はもちろん、使い勝手のよいキッチンに仕上がった。
「カフェのようなイメージ」で仕上げたキッチンは、幅広のカウンターやスポットライトなどディティールにこだわり、キッチンまわりをインテリアの一部としてしつらえている。キッチンの横に設けた家事スペースは、壁のアクセントカラーがスタイリッシュな印象。調理や洗濯の合間にひと息つくことができるよう配慮されている。動線にも考慮されており、家事の負担を軽減させるのにこのキッチンがひと役買ってくれるだろう。
脱衣室と浴室を仕切る引き戸には透明ガラスを採用し、空間を開放的に演出。サンルームのように明るい脱衣室は清潔感があり、日中は物干しスペースとして使用することも可能。気持ちのよいスペースとなっている。風呂上りにここで腰かけてくつろぐことができるアイディアは、暮らしに彩りを加えてくれるだろう。洗面室にファミリークローゼットを隣接させたことで、洗濯から衣類の整理・収納までの流れもスムーズになっている。
脱衣室を別に設けたことで、来客にも使いやすく、快適な空間となった洗面室。コンパクトな空間ではあるが、限られたスペースを十分に使い、スタイリッシュな空間と機能面を両立させた意欲が評価された。家事動線にも十分に配慮されており、生活に必要なLDKや洗面室、浴室、洗濯室、物干しスペースをすべてワンフロア(2階)に集約。1階から2階へと行き来する必要がなく、スムーズに家事を行うことができる。
ハイサイドライトによって、明るく、清潔感あふれる洗面室を提案。人造大理石仕上げの洗面カウンターの一部をドレッサーのようにしつらえているデザインも、機能的で好感が持てる。さらに、浴室から洗濯機が置ける洗面室、衣類の収納庫、サンルームが一列に配置されているので、洗濯に関連するサイクルがスムーズに。「脱ぐ」「洗う」「干す」「しまう」の動線がタイトにまとまり、「家事が楽になる」住まいになっている。
「猫と暮らす大人のお家」がコンセプトだというこの家は、空間全体に自然素材が多用されており、住み手と作り手の人柄にあふれたチャーミングな住まい。自然素材が使われているサニタリースペースも、温かみのある気持ちのよい空間にまとまっている。造作仕上げの洗面台や、サニタリー空間には欠かせない収納棚など、あえて既存製品を避け、個々の設備に工務店ならではの手作り感を出した点も好感度が高い。
家族用と来客用のトイレをそれぞれ設置。中廊下に設けた来客用トイレには鏡や手洗い用の洗面台を設置している。簡単な身支度のチェックもできる空間に仕上げられており、来客への細やかな配慮が好印象。異なる色や素材をうまく組み合わせたことで、上品な印象のサニタリー空間に仕上げている。掃除のしやすさにも配慮されており、耐水性の高い素材を組み合わせ、適材適所に使用している点も高い評価を受けた。
来客が多いというご家族のために、素材にこだわった空間を提案。リビングの壁の1面にタイル調のクロスを採用し、温かみのある空間に仕上げている。色調を抑えたフローリングもソファやストーブのトーンと合わせて、家族や来客が集う空間にふさわしい穏やかな住まいに。サッシの位置やサイズ、窓からの景色の見え方にも配慮が光る。薄い墨色のモルタル土間と、アクセントウォールを組み合わせた玄関も印象的な空間となった。
玄関ホールは白にこだわり、掃除がしやすく傷つきにくいタイルを採用。少し浮かせた収納扉と、その下に組み込まれた照明の光が空間に陰影を生み出し、狙い通りのクールでモダンな印象を与える。大型収納を設置したリビングスペースは、壁と同系色のフラット扉ですっきりとした印象に。配置する家具も含め、内装に用いる素材のトーンを統一させたことで、住まい全体が穏やかで上品な印象にまとめられている。
コンパクトな玄関がただの「靴脱ぎ場」にならず、住まい手の個性が光るディスプレイ空間になっている点を評価。色を抑えた内装は自然素材が多用されており、ニッチや土間が、住み手の気に入りのアイテムや趣味のロードバイクを飾るのにぴったりな背景となっている。室内の壁は、全室珪藻土仕上げに。水まわりには雑巾がけのしやすい耐水性合板を採用するなどメンテナンス性にも十分配慮した建材選びで、日々の家事負担も軽減している。
幹線道路に面する外壁には、優れた耐候性や防汚性機能を備えた黒の窯業系サイディングを採用。セットバックした玄関まわりの壁を木目調にしたことで、アシンメトリーなファサードのデザインが際立ち、さりげなく個性をアピールしている。玄関ドアの前に立てた角柱が、さりげない目隠しとゾーニング効果を発揮し、玄関まわりを上品な印象に。オーバーハングで奥行き感を出し、玄関扉を開けて室内へ入る楽しみを演出した。
緑豊かで暖かな生活にあこがれていたという建主のために、リビング前にガーデンルームを設置。室内でも屋内でもない中間領域を作ることで、室内にいながらにして庭を感じることができる半屋外空間を提供している。ガーデンルーム内にはガーデン用シンクやエアコンを設置して、住み手にも植物にも心地よい空間に。さらに庭の植栽にも手を加え、建物と庭が一体となった生活空間を実現している点も好印象を受けた。
リビングの目の前に隣地の外壁が見えるというありがちなケースを、市販パーツを組み合わせてリフレッシュさせた好例。単に目隠しをするだけでなく、床や屋根を巧みに組み合わせ、「使える庭」として生まれ変わらせた。さらに、照明計画をプラスしたことで、昼夜問わず気持ちよく過ごせる空間に仕上げた点も評価したい。ゲートを開けると玄関までライムストーンを敷いたアプローチが続き、空間の広がりも感じられる。
「読書が楽しめる空間にしたい」という要望に応え、おしゃれなテラス空間を提案。コンパクトながらタイルテラスとタイル張りのウォールで機能性とプライベート感を高め、アクセントの格子や植栽で品のよい空間に仕上げている。テラスの床高を上げたことで室内からの連続性も生まれ、半戸外のリビングとして過ごせるスペースに。公園の緑を借景としながらリラックスして過ごせるので、日々の過ごし方に楽しみが広がりそうだ。
テラスの床面を室内から出入りしやすい高さに上げ、さらに横格子や屋根を組み合わせてカジュアルに使えるテラススペースに。テラスまわりも一体化したデザインで、毎日ここで過ごしたくなる仕掛けが充実している。庭木の手入れが軽減される反面、ロングサイズの花台を置くことで、気軽に鉢植えの手入れが楽しめるスペースをプラス。夜は照明でライトアップできるので、昼とは異なる庭の表情と過ごし方が楽しめる。
総評
端正なラインでまとめた外観は、白い外壁のアクセントに天然木の外壁材をミックス。木目調のドアに合わせて、目隠しの木格子と植栽を組み合わせたアプローチが評価された。このアプローチが、車の出入りが多いという隣地からの視線もシャットアウト。木格子と板張りされた軒裏とのバランスもよく、穏やかな印象に仕上げている。玄関収納も充実しており、ドアをあけた時のすっきり感を保つ工夫が光る。