親と子、それぞれの家族が同じ敷地、ひとつの屋根の下に住む2世帯住宅は、土地や住宅資金の有効活用、家計にゆとりがうまれるなど、さまざまなメリットがあります。また、肉親がすぐ側にいることで安心して暮らせるのも嬉しいポイントです。
ですが、親子とはいえ、暮らし方は違うもの。より楽しく、快適な暮らしを手に入れるためには、両世帯がどのような住まい方をしたいのか十分に話し合い、整理することが必要です。
ここでは、2世帯住宅の基本的な4タイプをもとに、それぞれの特徴をご紹介します。
2世帯でひとつの玄関を共用するタイプです。外観的には一軒の家ですが、内部で各世帯の独立性を高めます。玄関がひとつなので間取りにゆとりがもてる、世帯間のコミュニケーションが自然に図れるといったメリットのある、いわゆる一般的な同居型の2世帯住宅です。各世帯の共有スペースと、別々に持つスペースの配分などを考えてプランニングする必要があります。
世帯ごとに玄関を設けるのが分離系です。共用系に比べて、各家庭の独立性が高まります。上下階にそれぞれの世帯が住み分ける重ね建ての上下分離タイプと、連棟建ての連棟分離タイプがあります。また、重ね建ての場合、階段を内階段にするか、外階段にするかも、独立性を考えるうえで大切なポイントです。
1階に2つの玄関を設け、内階段によって1階と2階に住み分けます。共用タイプよりも独立性が高まりますが、内部に世帯間を行き来できるドアを設けることで、しっかりと交流が図れるのが特徴です。普段は気兼ねなく暮らしたいので生活ゾーンは明確に分けつつ、コミュニケーションも取りやすくしたい、また、コミュニケーションのスペースを確保したい場合などには最適です。
1階と2階に玄関を設け、外階段によって1階と2階に住み分ける形です。各世帯の生活の完全分離ができます。このタイプでも、内階段を設ければ世帯間の交流を図ることも可能です。
2つの家を隣接させて、それぞれに住み分けるタイプです。各世帯の生活ゾーンは壁(界壁または戸境い壁)によって完全に分離され、いわば、2戸1棟形式のテラスハウスのような最も独立性の高いタイプです。さらに、親世帯の住戸を平屋建てに、子世帯を2階建てにする、両世帯を2階建てプランにするなど、さまざまなバリエーションの住宅プランを考えられるのも特徴です。交流スペースとして屋根付きの中庭やウッドデッキを設けたりといった工夫を加えるのも良いでしょう。
ここでは、2世帯住宅の基本プランを4つに分けていますが、どのタイプを選ぶかは、それぞれの世帯のライフスタイルのあり方や敷地条件などを考慮する必要があります。さらに、それぞれの世帯の年齢や、子世帯が息子世帯なのか娘世帯なのかによっても、選び方が違ってくるはずです。型にとらわれず、ぜひ自分たちの暮らし方に合った2世帯住宅をプランニングしましょう。