2019年8月23日
前回まで紹介した3つの支援策は、マイホームを取得する多くの方がその恩恵を受けられますが、今回取り上げる4つ目の【住宅等取得資金の贈与税に係る贈与税の非課税制度】は、住宅購入時に親などから多くの資金援助を受ける方のみ当てはまるため対象者は限られます。
個人が人から財産をもらった時には贈与税が発生します。
1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から、基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。
(1年間にもらった財産の合計額が110万円以下の場合、贈与税は発生しません。贈与税の申告も不要)
住宅購入時には、110万円を超える資金援助を親からしてもらえるケースもありますが、住宅購入資金に限っては、110万円を超える資金を援助してもらっても贈与税がかからないのが、「住宅等取得資金の贈与税に係る贈与税の非課税制度」です。
それまで最大1,200万円まで贈与税がかからない制度が、消費税率アップに伴い最大3,000万円まで拡充されました。
【消費税10% の現在】 |
契約した年 | - | 2019年4月~ 2020年3月 |
2020年4月~ 2021年3月 |
2021年4月~ 2021年12月 |
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省エネ・ 耐震住宅 |
- | 3,000万円 | 1,500万円 | 1,500万円 | |
上記以外の 住宅 |
- | 2,500万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
消費税率引き上げに伴い、最大3,000万円に拡大され、その後徐々に縮小し、2021年末で終了となります。
そもそも、1,000万円を超える資金援助を親からもらうというのは希ですので、1,200万円が3,000万円に拡大されたからといって、恩恵を受ける人はごくわずかです。
大きな金額が親から子へ贈与される場合、贈与する側の親(祖父母)にとって大きなメリットになる場合があります。
たとえば資産1億円(全て現金)を持っている父親が亡くなった場合(母は既になくなり、子どもが1人だけの場合)に、子どもが負担する相続税は1,220万円になります。
もし生存中、子どもの住宅購入時に「住宅等取得資金の贈与税に係る贈与税の非課税制度」を使い、3,000万円を子ども贈与して、資産を7,000万円に減らしたあと、この父親がなくなった場合の相続税負担は480万円です。
ちなみに、この制度を使わずに3,000万円を子どもに贈与すると、1,035万円の贈与税が発生します。この制度を活用することで一家全体でみると大きな税負担の軽減となります。
この制度は、贈与する側にとっても大きなメリットがある制度ですので、相続税が発生しそうな場合は、親や祖父母にもこの情報を伝えて、相続対策の一環として活用を検討してみるのもオススメです。
※本サイトに掲載の内容は、平成31年3月末時点の情報に基づき作成し、令和3年4月に改訂しております。