【K様邸】福島県須賀川市
家族構成:夫婦+子ども2人
構造:木造
規模:平屋建て
リフォーム工事面積:113㎡
設計:清建築設計室
施工:(株)オオバ工務店
叔母が一人で暮らしていた家を、4人家族のために増改築。思春期を迎えた子どもたちのため、リビングと増築した子ども部屋にはほどよい距離をつくり、念願の中庭も実現。既存LDKは、メリハリと温もりのある空間へと姿を変え快適性をアップしました。
K様がリフォームしたのは、ご主人の実家主屋の隣に建つ小さな平屋。叔母が一人暮らしのために建てたものだったため、K様一家4人で暮らすにはいろいろと不都合が。まだ築2年と新しかったので、できるだけ既存を活かす形で手を加えようと、清建築設計室にリフォーム設計を依頼。建築家の設計を施工するのが得意な、オオバ工務店が腕をふるいました。
二人の息子さんは、中学生と小学校高学年で思春期まっさかり。そこで、既存棟のLDKと適度な距離感を持たせるため、子ども部屋を庭の向かい側に配置し、渡り廊下でつなぐ中庭型の間取りに。中庭は、奥様が当初から希望していたもので、建物で三方を囲みつつ「ハ」の字に開いて光を採り入れています。全体的に天井が高くのっぺりしていた既存LDKでは、キッチンの天井をあえて低く下げるデザイン操作を。そこにレッドシダーを張ると、ナラ無垢材の床とあいまって温もりを感じさせる空間になりました。
主屋との行き来を意識した既存の玄関は、反対側にある駐車場へのアクセスが悪かったため、駐車場側の小部屋を玄関につくりかえることに。野球少年の兄弟のため、来客用の玄関の奥に家族用の玄関を設け、土のついたシューズや道具類を気兼ねなくしまえる収納をつくりました。既存の玄関には手を加えず、室内干しスペースに用途のみ変更。洗面所につながる動線上に洗濯機置場を新設すると、効率よく洗濯をこなせる環境が整いました。
子ども部屋を小さめのつくりにしたのは、年齢がある程度高く使用される年数が限られているから。将来は別の使い方ができるように、間仕切り壁は簡易なものにとどめ、収納は壁に棚レールを取り付け、棚板を自由にアレンジできる可変性をもたせています。部屋の狭さが気になっていたご夫妻ですが、息子さんたちは「秘密基地みたい」と喜んでくれたようです。
耐久性のあるハードウッドでウッドデッキを巡らせた居心地の良い中庭には、奥様が大切に育てたモミジの若木を移植し、シンボルツリーに。バーベキューをしたり、息子さんたちがバッティングの練習をしたりと活用され、4人家族用に機能性を満たすという以上の、豊かな時間を過ごせる家になりました。
設計:清建築設計室